【サルデーニャ島の小さな村】モンテレオーネ・ロッカ・ドリア

イタリア小さな村 サルデーニャ島の遺跡、教会、祭り

モンテレオーネ・ロッカ・ドリアは、サルデーニャ島北西部サッサリ県にある人口わずか100人足らずの小さな村。サッサリ県で最も人口の少ないコムーネ(イタリアの基礎自治体)。過疎化が進み、人の気配もあまりないくらい非日常的な静かな村なのだが、中世にはドリア家の要塞都市として、隠されたような歴史の痕跡がある。4月の初めの日曜日にモンテレオーネ・ロッカ・ドリアで出会った人は、住人の二人のおばあさんと散策に訪れていたイタリア人ファミリーが2組のみだった。

モンテレオーネ・ロッカ・ドリアの名前の由来

現在は、食料品店や学校もなく、週に3日開く郵便局があるだけ。住民は、日常のちょっとした買い物にも隣村まで行かなければならないが、凝灰岩のス・モンテ Su Monte の山稜の上にそびるその独特な地理的条件から、中世の頃は、城塞都市として栄えていた。しかしながら、1436年にアラゴンの侵攻によって教会以外のものは、ことごとく破壊され、モンテレオーネ・ロッカ・ドリアの住人は、13km離れた、ヴィッラノーヴァ・モンテレオーネ Villanova Monteleone へ引っ越した。ヴィッラノーヴァ・モンテレオーネの方が高い場所にあり樫林もあり安全だったからだ。ヴィッラノーヴァ・モンテレオーネは、モンテレオーネの新しい町 città nuova di Monteleone という意味の Bidda Noa Monteleone と呼ばれており、そこから現在の名前に至る。

モンテレオーネ・ロッカ・ドリア Monteleone Rocca Doria は、ロッカは城塞という意味。モンテレオーネは、ライオン山という意味だが、1341年には、村はすでに、Montis leonis と呼ばれていた。紋章の図柄にライオンが描かれていたことによる。1862年に、その名前の後ろにRocca Doria が加わった。ドリアは、アラゴンに占領される前のおよそ2世紀半の間、統治していた貴族の苗字。

窓は固くとざされていて人の気配がないが、趣のある家々も多い

珍しい2つのアプスを持つ教会

2身廊で2つのアプス(後陣)をもつ珍しいサント・ステファノ教会は、くねくねと曲がる丘を登って、村に入ってすぐの場所にある。
教会の北側部分は、ドリア家の礼拝堂として13世紀に建てられた。そして、1536年にもうひとつの身廊と後陣が付け加えられ、2つの後陣を持つ稀有なつくりとなった。古い部分は、後期ロマネスク様式。新しい部分は、ゴシック様式の要素がみられる。

2つのアプス(後陣)のある珍しい教会
2つのアプス(後陣)のある珍しい教会
人の顔の彫刻のあるロマネスク様式教会
人の顔の彫刻があるロマネスク様式部分のアプシス

入口は、教会の古い部分にあり、4つのカッペッラがある。入口から順に、洗礼盤のあるカッペッラ。2つめの礼拝堂の奥には、聖具室と司祭の部屋へ続く扉がある。3つめには聖母像がある。4つ目は、後陣のある広い空間となっている。

二身廊教会
二身廊の教会。左側が古い部分

モンテレオーネ・ロッカ・ドリアの城跡

ドリア家城跡 サルデーニャ島

12世紀に建設されたドリア家の城跡。1436年にアラゴン人によって破壊されたため、残されているものはわずか。村は塔のある城壁でぐるりと囲まれていたという。

巡礼者のサンダルが刻まれている教会

サルデーニャ島のいくつかの教会では、時々、サンダルの形が壁に彫られている教会に出会うことがある。文字が書ける人が少なかった中世の時代、巡礼者たちは、教会の壁に巡礼のしるしとして、サンダルを壁に刻むことがあった。ここ、モンテレオーネ・ロッカ・ドリアのサンタントニオ教会 chiesa di Sant’Antonio の壁にも、サンダルが刻まれている。サンタントニオ教会は13世紀中頃に建てられた教会。教会だけは、アラゴン人の破壊から守られた。

巡礼者のサンダル彫刻
教会の壁に巡礼者のサンダルが刻まれている

巡礼者サンダル彫刻のある教会
サンタントニオ教会

隣村にはムラ―レスが

そして、モンテレオーネ・ロッカ・ドリアには、バールも何もないので、近くの村、ロマーナへコーヒーを飲みに行こうということになった。その時に、ロマーナのコーヒーは、”ジッ” っていうんだよ。と意味不明のことを言い出した友人。その、”ジッ”カッフェを求めて、ロマーナへ行くと、なんとここにもムラ―レスが。

ムラ―レス サルデーニャ島
ちょっと昔のサルデーニャ島の日常が描かれたムラ―レス
ムラ―レス

こちらが、”ジッ”カッフェの正体。シチリアのコーヒー豆会社の名前でした。

イタリアエスプレッソコーヒー


友人が頼んだ、カッフェ・マッキアートには、こんな細工が。

カッフェマッキアート
カッフェマッキアート

カッフェ・マッキアートとは、エスプレッソコーヒーに、ほんのちょっと泡立てた牛乳を足したもの。カプチーノのミニ版とでもいいましょうか。カッフェに、ミルクの染み(マッキア)を付けたという意味です。エスプレッソだけだと、ちょっと濃すぎるから、ミルクをたらしてほしいというようなときに、重宝します。バールによっては時々、かわいらしいデザインをチョコレートでしてくれることもあります。

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