サンタ・クリスティーナの聖なる井戸で、春分の日と秋分の日におこる不思議な現象

サンタクリスティーナ聖なる井戸 サルデーニャ島の遺跡、教会、祭り

オリーブの古木が茂る平地に、紀元前11世紀のサンタ・クリスティーナの聖なる井戸はある。サンタ・クリスティーナの聖なる井戸は、ヌラーゲ時代の3千年前につくられたと推測されている。
この井戸がなぜ、こんなにも有名かというと、3千年前につくられたとは思えないような、精巧さ。まるで、最近つくられたかのようだ。きれいに切られた石の階段を降りると、井戸の上はトロスと言われるヌラーゲと同じ作りの覆いが地下にある。そして、上から見ると、なんと鍵穴の形状をしている。
さらには、春分の日と秋分の日に、井戸の階段を降りた所に立つと、上下が反転した影が、井戸のトロス状の壁にうつる、という不思議な現象を見ることができる。

この写真は遺跡でいただいたパンフレットのものです。


明らかに、3千年前のサルデーニャ島に住んでいた人々は、天体の動きを理解していた。

2024年の秋分の日は、ポツポツ雨が降ったり、曇りがちの日であったが、ちょうど私の順番の時には、日が差し、私たちのさかさまになった影を見ることができた。

春分の日と秋分の日にサルデーニャの井戸でおこる不思議な現象
サンタ・クリスティーナの聖なる井戸で春分の日と秋分の日におこる不思議な現象

当時のサルデーニャ人には、水に対する信仰があったと考えられている。そのため、サンタ・クリスティーナの井戸は、サントゥアリオ、つまり聖域であり、巡礼の目的地でもあった。周囲にあるカパンナと呼ばれる円状の建物は、聖なる井戸を訪れた人々の集いの場所であったと言われている。

サンタ・クリスティーナの聖なる井戸がある場所から200メートルほど離れた場所には、ボナルカドのカマルドリ会の修道士が建てた13世紀の小さな教会、サンタ・クリスティーナ教会がある。サンタ・クリスティーナ教会の周囲は、ムリステネスまたはクンベッシアスと呼ばれる巡礼者のための小さな家々に囲まれている。5月の第2日曜日のサンタ・クリスティーナの祭りの日と10月の第4日曜日の大天使ラッファエーレ(サン・セラフィーノ)の祭りの日の祈りの9日間には、普段はひっそりとしている小さな教会のヴィラッジョも賑わいを見せる。

サンタ・クリスティーナ教会とムリステネス
サンタ・クリスティーナ教会とムリステネス

サンタ・クリスティーナの井戸から400メートルほどのところには、紀元前16世紀のヌラーゲとヴィラッジョもある。玄武岩の一つの塔のヌラーゲで、現在残されている高さは7メートル。入口の左側には、らせん状の階段があり、オリジナルは、2階部分があり、高さも現在のこされているものの倍の高さがあったと考えられている。

サンタクリスティーナのヌラーゲ
ヌラーゲ

また、ヌラーゲの近くには、よく見られる円形ではなく、細長いカパンナが2つあり、これらのカパンナはヌラーゲ時代のものではなく、中世の時代のものと推測されている。

サルデーニャ州公認観光ガイドがご案内するサルデーニャツアー。お問い合せお待ちしております。

鍵穴の形をしている井戸。この写真も遺跡でいただいたパンフレットより。
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