サルデーニャ島北東部の標高700メートル近くに位置する小さな村、アラ・デイ・サルディ Alà dei Sardi。そこから、さらに車を走らせること15分、ソス・ヌラトーロス Sos Nurattolos の入り口に着く。サルデーニャ北東部は、花崗岩質の地質。このソス・ヌラトーロスも長い年月をかけて様々な形となった荒々しい花崗岩におおわれている。
ソス・ヌラトーロスは、標高1000メートルに位置する。そんな辺鄙な場所に、なんと、紀元前1600年から紀元前900年前に遡る巡礼地があるのだから、その圧倒されるような風景とともに、びっくりさせられる。
まず最初に出会うのが、聖なる井戸。今も水が湧き出ています。昔の巡礼地、3000年前の人々はここでまずお清めをしたと考えられている。
3000年以上前の先史時代の巡礼地は、ゆっくりと登っていくように、標高1000メートル以上まで、”聖なる小道 – via sacra” を通じて上へ上へとつながっている。
次に現れるのが前室のある円形のテンピオと呼ばれる神殿。宗教儀式を行っていた、もしくは神託を伺っていた場所と考えられている。
さらに登っていくと、長方形と円形のスペースを持つテンピエットまたは、メガロン神殿または、と呼ばれる神殿があり、そして、会議のカパンナとよばれる円形の建物の跡を見ることができる。
ソス・ヌラトーロス Sos Nurattolos は、サルデーニャの方言のサルド語で、柵や壁などで囲まれた場所(の複数形)という意味。その名の通り、聖なる井戸やテンピエットなど、石で囲まれたものが複数存在する。
ソス・ヌラトーロスへ来たのは今回で2回目。
前回は、コロナ禍の秋でした。前回の様子はこちら。今回は、ほぼ快晴の2月。エリクリーソの香り(私にとってはサルデーニャの香り)に包まれながら、ゴツゴツとした大地にところどころに咲いている小さなクロッカス癒され、数千年前の巡礼地を辿る。非現実的な風景に出会う不思議な場所です。
小さなクロッカスを踏まないように歩きました。