カステルサルド

カステルサルド サルデーニャ島の遺跡、教会、祭り

サルデーニャ島北西部にある町、カステルサルドはしばしば、サルデーニャを紹介する写真などにも取り上げられるため、そして、「イタリアの最も美しい村」クラブ I borghi più belli d’Italia に加盟しているため、訪れてみたいとリクエストされることも多い町です。
2025年現在、イタリアの最も美しい村に加盟している村は、イタリアでは373の村。サルデーニャ島では、9つの村(カルロフォルテ、サダリ、アッツァーラ、ロッローヴェ、ポサーダ、ボーザ、カステルサルド、ラ・マッダレーナ、テンピオ・パウザーニア)が、イタリアの最も美しい村に加盟しています。

カステルサルドの写真といえば、カステルサルドをちょっと離れた場所から撮った写真。海に突き出した小さな丘に、カラフルな家が立ち並んでいます。

そして、カステルサルドの名前(カステッロがお城、サルドがサルデーニャのという意味)の由来通り、てっぺんには、中世の城跡が残されています。

カステルサルド
カステルサルドの城跡内部。一部はかごの博物館となっている。

カステルサルドの町は、1102年にドリア家によってつくられたといわれています。しかしながら最近の研究によると、13世紀の終わり頃であるとも考えられています。ドリア家はジェノヴァの有力なファミリーだったので、その当時は、カルテル・ジェノヴェーゼと呼ばれていました。ジェノヴァのお城という意味です。そして、アルボレア王国のジューディチェやエレーノーラ・ディ・アルボレーアが住んでいた時期もありました。エレオノーラとドリア家のブランカレオーネ・ドリアとの結婚により、ドリア家は、アルボレア王国とつながったためです。そして1448年にアラゴンの支配となった後には、カステル・アラゴネーゼ(アラゴンのお城)という名前にかわります。カステルサルドという名前になったのは、1767年にサヴォイア家の支配以降です。

名前は変わっても、いつも「お城」の意味のcastelがつくところに、やはりこの町が城を中心としてできたことがうかがえます。

ルニッサンティ Lunissanti の夜
ルニッサンティ Lunissanti の夜の宗教行列

そして、カステルサルドが最も美しい日は、やはりなんといっても、ルニッサンティ Lunissantiの月曜日。
ルニッサンティは、復活祭(イースター、パスクア)の前の月曜日で、復活祭の前の1週間は聖週間と呼ばれ、カトリックではとても大切な1週間です。復活祭が移動祝日であるため、ルニッサンティの日も毎年かわります。

ルニッサンティ Lunissanti の夜にはカステルサルドの旧市街のすべての電気が消され、ろうそくと火の明かりだけの宗教行列が行われ、特別なミサが行われます。

ルニッサンティ カステルサルド
ルニッサンティの日には早朝にもミサが行われる

カステルサルド サルデーニャ

宗教行列やミサが終わったあとの深夜、コンフラテッリが集まり食事をする準備が整えられていた。

ルニッサンティのパン
キリストの受難を表すシンボルの形のパン

カステルサルド
Santa Maria delle Grazie 教会

12世紀のSanta Maria delle Grazie 教会は、珍しいファサードのない教会。1500年代には Cattedrale が建てられる前は、この教会がCattedrale だった。
この教会で有名なのは、1300年代の Cristo Nero。年月の経過により黒くなった ginepro の木の十字架は、カステルサルドが様々な困難(ペスト、干ばつなど)にあったときにこの十字架にお願いして行列行進をすると、困難から救われたという。

カステルサルド
Concattedrale di sant’Antonio Abate


聖アントニオ・アバーテ共同司教座聖堂 Concattedrale Sant’Antonio Abate は、1600年前後に、前にあった教会を大きくして司教座聖堂となった。横には、マヨルカ焼きのクーポラのある鐘楼がある。この鐘楼は、もともとはドリア家の時代の灯台。

カステルサルドに行かれるのならば、ぜひ見ていただきたいのが、象の岩。カステルサルドから5kmほどの国道沿いにあります。

象の岩 世界遺産 ドームス・デ・ヤーナス

この象の岩が特別なのは、その奇妙な岩の形だけではなく、内部にドームス・デ・ヤーナスがあること。

ユネスコ世界遺産 ドームス・デ・ヤナス
牛の角の形が壁に彫られている

ドームス・デ・ヤーナスを直訳すると、妖精の家となるが、もちろん妖精が住んでいたわけではありません。ドームス・デ・ヤーナスとは、ヌラーゲ時代より古い、およそ5千年ほど前の墓。そしてなんと、この象の岩は、今年2025年にユネスコの世界遺産に登録された27箇所のドームス・デ・ヤーナスの一つなのです。

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