旅行に行ったらその場所でしか食べることのできないものを食べてみたいと思われる方が多いと思います。
名物に旨いものなし、なんていうことわざもありますが、サルデーニャの名物料理はそんなことはありません。サルデーニャ島へいらしたら是非おためしくださいませ。
アンティパスト(前菜)
ブッリーダ Burrida gattuccio di mare Scabecciu
ガットゥッチョという細長い魚をクルミなどで合えた料理。サルデーニャ島南部の料理ながら、メニューに載せているレストランはあまりありません。もし見つけたら是非お試しを!
タルトゥフォ・ディ・マーレ
高級食材のきのこのトリュフとおなじ綴りですが、貝です。きのこのトリュフと区別するために、タルトゥフォ・ディ・マーレ(海のトリュフ)と呼ばれ、サルデーニャ島では生で頂きます。最近では、サシミがイタリア語になりつつあるほど、タイやスズキのカルパッチョを食べることができますが、サルデーニャ島では、生のお魚を食べる習慣はありませんでしたが、こちらのタルトゥフォ・ディ・マーレや牡蠣、新鮮であればムール貝も生でいただきます。
生ポルチーニのサラダ
秋だけですが、サルデーニャ島でもポルチーニ茸がとれます。薄くスライスしたものをサルデーニャ産の上質なオリーブオイルとともに。
からすみとアーティチョークのサラダ
冬の時期であれば、サルデーニャ産アーティチョークとからすみのサラダの前菜もおすすめ。サルデーニャ産のアーティチョーク(カルチョフォ・スピノーゾ)は、DOPに認定されていて、先がトゲ状になっているのが特徴。
プリモ(パスタやリゾットなど)
フレーゴラ(フレグラ、フレーグラ)
ツブツブの食感が楽しいフレーゴラ。レストランでは魚介と合わせられていることが多いですが、お肉やキノコ、野菜と合わせてもおいしい。ミネストローネのようにスープが多めのものもあります。フレーゴラ(フレグラ、フレーグラ)の作り方は、リゾットを作る時のように、直接ソースやブロードにフレーゴラを入れてソースを吸い込ませます。
雑誌「イタリア好き」オンライン版のマンマのレシピにて、海の幸のフレーゴラのレシピとその背景について書かせていただきました。有料のようですが、もしよろしければご覧くださいませ。
クルルジョーネス
ジャガイモとペコリーノチーズ、ミントが中に入っている、オリアストラ地方のパスタ。こちらは、作り手によってかなり風味が違います。
ズッパ・ガルレーゼ
サルデーニャ島北東部のガッルーラ地方の料理。オーブンに入れて焼くもの、オーブンに入れないもの、使うパンの種類などレシピは村々によって少しずつ違います。
雑誌「イタリア好き」オンライン版のマンマのレシピにて、ズッパ・ガッルレーゼのレシピとその背景について書かせていただきました。有料のようですが、もしよろしければご覧くださいませ。
マッロレッドゥス・アッラ・カンピダネーゼ
Malloreddus alla Campidanese
マッロレッドゥスまたは、ニョケッティ・サルディと呼ばれるショートパスタをサルシッチャの入っているカンピダネーゼ風のソースで合えます。
カンピダーノは、サルデーニャ島南西部の平野。このあたりのサルシッチャは、フィノッキエットというハーブの一種で風味付けされています。
カラスミ(ボッタルガ)
サルデーニャ島西部のカブラスがからすみの産地として有名ですが、サルデーニャ島のいたるところで食べることができます。
スーパーでは真空パックになっているものや、削ってあるものがビンや袋詰めで売られていますので、お土産としてご購入されることもおすすめします。
フィリンデーウ
フィリンデーウは、サルデーニャの方言で「神の糸」という意味を持つパスタ。手で伸ばした細い麺を乾燥させ、羊のブロードに浮かべて食するのが伝統的な食べ方。バルバジア地方ヌオーロのパスタで、作れる人はサルデーニャでもほんの僅かです。
夜中の巡礼のあとにいただいたフィリンデーウの記事も、もしよろしければご覧くださいませ。
セコンド(肉料理、魚料理)
アラゴスタ
アルゲーロ産のアラゴスタが有名です。夏がシーズン。
子豚の丸焼き(ポルチェット・サルド、ポルチェッドゥ、マイアリーノ、マイアレット)
ポルチェット、ポルチェッドゥ、マイアリーノ、マイアレットと様々な呼び名で呼ばれますが、母乳のみを飲んだサルデーニャ産の子豚が最もおいしいとされています。薪でじっくりと焼くため、焼き上げるのに何時間もかかることからレストランで出すところは少ないですが、サルデーニャ島のアグリツーリズモでは、ほぼ必ずあるので、是非、アグリツーリズモへ行ってお召し上がりください。
アグリツーリズモとは。サルデーニャ島でアグリツーリズモへ行くというのは、田舎にあるレストランへメニューの決まった食事を楽しみにいくことを意味します。1人当たり、35ユーロから50ユーロくらいで、前菜、プリモ、セコンド、お菓子、ワイン、水、食後酒まで全部含まれ、次から次へと食べきれないほどの量が出てきます。また、食事時間も3時間程度かかりますので、おなかと時間に余裕を持ってお出かけください。
アグリツーリズモは夏のシーズンは、夕食のみ営業しているところが多いです。秋冬のシーズンオフの時期は日曜日のランチまたは20名以上など大勢での予約をすることが必須の場合が多いです。
フリット・ミスト
サルデーニャで食べる魚やイカ・海老のフライ、フリット・ミストは、揚げ物なのに、全く胃もたれせず、カリカリ、サクサクで魚のセコンドとしては定番です。
ドルチェ(デザート、スイーツ)
セアダス
揚げた生地の中に、チーズが入っています。ハチミツをかけて頂きます。
セアダスについては、ブログに詳しく書かせていただきました。ご覧いただければ嬉しいです。
フォルマジェッラ
サルデーニャ版チーズケーキ。薄い生地で包まれています。
サルデーニャの焼き菓子は、アーモンドの粉を使ったり、はちみつを使っているものもあるのが特徴です。
パン
パーネカラザウ
パーネ・カラザウは、サルデーニャ島内陸部の通称”羊飼いのパン”。羊飼いが放牧のため家を離れている間にも食べられるように、2度焼きされ、数か月の保存が可能なパンです。パーネ・カラザウに塩とオリーブオイルをかけたものは、パーネグッティアウと呼ばれます。
ワイン
サルデーニャ島を代表する白ワインは、ヴェルメンティーノ品種。サルデーニャ島唯一のDOCGワインは、サルデーニャ島北東部のガッルーラ地方で生産されるヴェルメンティーノ品種を用いたヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラDOCG。
ガッルーラ地方以外でも、サルデーニャ島中でヴェルメンティーノは栽培されています。ガッルーラ地方以外で栽培されたものは、ヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャDOC
サルデーニャ島を代表する赤ワインは、カンノナウ品種。
サルデーニャ島ワイナリーツアーをしております。オルビア近郊のワイナリーツアーの例はこちら。カリアリ発のワイナリーツアーの例はこちら。その他の地域のワイナリーツアーもしておりますので、お問い合わせお待ちしております。
食後酒
ミルト酒
冬に実るミルトの実にアルコールと砂糖を入れ、40日くらい寝かしたリキュール。家庭で梅酒を作る人が多いように、サルデーニャでもミルト酒やリモンチェッロを自宅用に作る人はたくさんいます。
冬に実をつけるミルトの木は、ちょっと田舎へ行くとあちらこちらに自生しています。ミルトの葉もミルトの実と同じ香りがします。
季節の料理
サルティリアやマムトーネスなど、珍しいカーニバルの伝統があるサルデーニャ島。そして、また、カーニバルの時期にのみ食べる料理があります。
カヴォラータ
豚肉とキャベツなどを大鍋で煮込んだ料理です。地方により、そら豆をいれたりサルシッチャを入れたりと少しずつレシピは違いますが、カーニバルの前からカーニバル期間中にのみ頂きます。
詳しくはこちらに書きました。
フリッテッレ
ドーナッツ状の揚げ菓子ですが、細長いものや丸いものなど形は地方によって違います。
軽食編
パナーダス
サルデーニャ島北部のオスキリやベルキッダが発祥といわれています。生地の中にはサルシッチャ(味付けされた豚肉)が入るのが定番。サルデーニャ版ミートパイというかんじでしょうか。サルデーニャ島南部ではウナギが入ることも。
番外編
ウジ虫チーズ(カース・マルツゥ)
こちらはお店などでは売っていません。時々、手作りしている人がいます。ちょっとサルデーニャのことに詳しいとみられると、サルデーニャのおじさんたちからは、カース・マルツゥを食べたことがあるか、と聞かれます。お味は、熟成したチーズがお好きな方は、もしかするとお好みに合うかもしれません。
おみやげ編
コルベッツォロのはちみつ(苦いハチミツ)
コルベッツォロ(セイヨウヤマモモ)のはちみつには、苦いという意味のアマーロ amaro と書かれています。
カラスミ(ボッタルガ)
トローネ
サルデーニャのトローネの特徴は、はちみつが入っており、砂糖が一切入っていないこと。