イタリア・サルデーニャ島には、ポッツォサクロと呼ばれる井戸がある。ポッツォが「井戸」、サクロが「聖なる」という意味が表しているように、普通の水を汲むための井戸ではないことが、名前からもおわかりいただけると思う。この聖なる井戸がサルデーニャ島で作られたのは、およそ紀元前1200年から紀元前900年頃。サルデーニャ島では、ヌラーゲが建てられ、ヌラーゲ文明が華開いていたころである。

紀元前1200年ころのサルデーニャでは、水に対する信仰・崇拝が盛んになり、聖なる井戸では、儀式が行われていたと考えられている。そして、聖なる井戸は、サントゥアーリ、聖地となり、サルデーニャ中から人が訪れたとも考えられている。
イタリア・サルデーニャ島には、いくつかの聖なる井戸が残されており、その中でも最も有名なのは、サンタ・クリスティーナの聖なる井戸であると思うが、サルデーニャ北部の小さな村、ペルフガスには、なんと、村の中心に聖なる井戸がある。サルデーニャでは。もう一か所、サルダラという温泉が湧くことで有名な町の中にもポッツォサクロ、聖なる井戸があるが、サルデーニャ島内では、現在の町や村の中にあるのは、このペルフガスとサルダラの2つのみである。

サルデーニャ北部の小さな村、ペルフガスの中心部にあるプレディオ・カノポリの聖なる井戸は、1900年代の初めに、ドメニコ・カノポリ氏が、家の庭を整えているときに、発見された。
ペルフガスは、赤っぽい粗面岩の地域。しかしながら、聖なる井戸は、白い石灰岩でできている。おそらく、ラエッル(6km離れている)または、セディニ(8km離れている)の石灰岩であると考えられている。3000年も前に、井戸を作るために、その土地の石を使わず、6km以上離れたところから石を運んだというのも、謎であり、驚きでもある。

聖なる井戸は、3つの部分からなる。
ヴェスティボロ(入口)Vestibolo : ここで儀式が行われたと推測されている。2つのベンチと思われるものがある。また、祭壇と思われるものがあり、おそらく、動物の生贄が捧げられたと考えられている。
階段 : 井戸へ降りる8段の階段がある。
井戸 : 深さは2,78メートル。帯水層からの水が穴を通して水の量を調整されて入ってきていた。
井戸からは、雄牛toroと牛bueのブロンズ像が発見されたことから、やはり、水の供給のための井戸ではなく、儀式、信仰などに用いられていたと考えられる。
聖なる井戸の周りは、囲いがあり、聖なる場所とそうではない場所が区切られていた。
